世界3大長寿の里の一つとしても知られているフンザ。
その秘密は、フンザの伝統的な料理にあるのではないか、と言われています。
インドやパキスタンの料理は、多くの動物性油や、塩、香辛料を使用しています。
それに対してフンザの伝統料理は塩や香辛料をほとんど使わず、
油も、杏やアーモンドから抽出した、天然植物100%のものを使用し、
素材を生かした、とっても素朴な料理。
日本でも、フンザの食について書かれた本が発行されています。

フンザへツアー旅行へ訪れると、フンザの伝統料理を出されることもあります。
素朴であっさりしたフンザの伝統料理は、
洋食などに慣れてしまった日本人の口には、
一瞬「うん?」っとなってしまようなものもありますが、
そのシンプルな味付けは、どことなく、日本の料理にも通じるところがあるような気がします。

ところが、1978年にパキスタンと中国とを結ぶカラコルムハイウェイが開通した後、
フンザにもパキスタン低地から動物性油や香辛料が流入。
用意するのに手のかかるフンザの伝統的な素材を放棄し、
お店に行けば誰でも簡単に手に入れることができる、低地の食材を利用する人が増えました。
フンザ独自の食文化離れが進んだ今日では、
高血圧や糖尿病と言った、これまでフンザではほとんどみかけなかった病気が目立つようになり、
大きな問題になっています。